朝日新聞に「藤井二冠、聖火ランナー辞退」という記事が載った(2月11日)。記事によると「藤井聡太二冠が聖火ランナーを辞退する意向を10日までに瀬戸市(愛知県)に伝えたことがわかった」という。さらに、同市関係者の「去年の段階では走ってくれると言っており、期待していた(中略)ので残念だ」というコメントを併せて載せている。

これを普通に読むと、藤井二冠が聖火ランナーを辞退したのは、今年に入ってから(ごく最近)と理解することができる。「(2月)10日までに伝えたことが分かった」「去年の段階では走ってくれると言っていた」から、そうとしか理解できない。

この記事中には「大会組織委員会の森喜朗会長の発言とは関係がないという」との文言が入ってはいるが、暗に匂わせる書き方になっている。なぜかと言うと、藤井二冠が辞退を瀬戸市に伝えたのは、昨年の11月頃だからだ。朝日はそのことを一言も書いていない。もちろん、タイトルにも入れていない。

つまり、意図的に去年の話だということを隠し、最近になって辞退を決めた。そこには森発言の影響があるのでは(関係ないとは書くが)と匂わせる、悪質な印象操作記事になっている。

藤井二冠が昨年には既に辞退を申し入れていたことは、各紙が報じている。読売新聞(昨年11月頃)、毎日新聞(昨年11月)、中日新聞(昨年11月)、NHK(去年11月)、スポーツ報知(昨年11月)など。朝日が知らないはずがない。もし知らなかったとすれば、なんと取材力がないんだ(苦笑)。

朝日も見え見えの印象操作をまずいと思ったのか、2月11日20:04配信記事(朝日新聞デジタル)「藤井二冠、聖火走者辞退は昨秋に決断 『状況変わった』」では、同市への申し入れを「昨年10月ごろに」と時期を入れている。

朝日の往生際の悪さはタイトルによく見える。「昨秋に決断」だって。まあウソではないけど、記事中に市長の「昨年10月ごろ、辞退について市の窓口に藤井二冠側から説明があった」とのコメントを載せておきながら「昨秋の決断」とは。「決断」と「市への伝達」は別だとすることで、逃げを打っている(苦笑)。

ここで、ひとつ大きな疑問がある。当日の紙面(締め切りは前日だろうが)には「去年の段階では走ってくれると言っており」との市関係者のコメントを載せていた。この市関係者は、明らかに藤井二冠が辞退を市に伝えていることを知らない人物だ。しかし20:04のデジタル版には、先に書いたように辞退を知っている市長のコメントが載っている。

なぜ朝日は始めから市長などの上層部、聖火ランナーを束ねるスポーツ課などに取材しないのか? なぜ辞退を知らない人物のコメントを、市を代表するかのように載せたのか?

想像をたくましくすれば、市長のコメントを印象操作のために意図的に載せないで、わざわ辞退を知らない関係者のコメントを載せたのではないかということ。もっと深読みすれば、この同市関係者って本当にいるのか? コメントのでっち上げ(捏造)ではないのか? とも考えられる。

記事としては、デジタル版は「昨年10月ごろ」との追加がなされたが、紙面では辞退時期の追加(つまり、記事の訂正)はなされていない。印象操作をしたままの状態。朝日を紙でしか読まない人には、藤井二冠の辞退は森発言の影響もありそうだとの印象を与えたままになっている。

朝日からすれば、こうやって「情弱」(好きな言い方ではないが)と言われる人たちを印象操作しているってこと。相変わらずのクずっぷりだ。