朝日新聞の1月16日の記事「企業の農地取得、23年夏まで延長へ 国家戦略特区の特例措置」は、兵庫県養父市が進める国家戦力特区の特例措置を利用した「企業の農地取得」による地域農業の活性化措置を報じたもの。しかし、これは捏造に近い悪質印象操作記事だ。

朝日は農水省からとしたうえで「特例に基づいて取得した農地のうち、実際に農業を営んでいる面積は全体の7%弱となっている」「特例で地域の農業が活性化したとは言えない」と、農業特区は失敗だったと言わんばかりの書きよう。

これに国家戦略特区WG座長・八田達夫氏が、朝日に抗議文を出す騒ぎになった(1月20日)。八田氏は「実際に農業を営んでいる面積は99.1%(残る0.9%も農業再開見込)」「地域の農業が活性化したことは、これまでの国家戦略特区の評価で確定している」と、農業特区は成果を上げていると強調。

すると朝日は、21日にこそっと訂正文を載せている。その内容は「特区特例を活用した農地のうち、実際に農業を営んでいる面積は7%弱は間違いで、正しくは特区特例を活用した農地が7%弱でした」。

これは元々の記事の趣旨や八田氏の抗議の本質から大外れのもの。営農面積が7%を訂正するなら、営農面積は99.1%としなければおかしい。それなのに、朝日は7%の意味合いが違ったと訂正した。

朝日が元記事で「7%」という数字を持ち出したのは「わずか7%しか」との印象を与え、つまり「農業特区は失敗だった」と印象操作するため。だから「7%でなく99.1%」と訂正してしまうと、「特区失敗」との印象操作ができなくなるからだ。

「実際に特区を活用した農地は7%じゃないか」と朝日は言うかもしれないが、企業が取得したのが7%であっても他はリース(レンタル)で使われている。取得でなくリースだから失敗とは言えないのは当然のこと。

安倍前首相が提唱し始まった国家戦略特区。朝日が天敵の安倍前首相を批判するために、特区を利用した加計学園の獣医学部新設を、あたかも「疑惑」として捏造したのは記憶に新しい。そんな朝日は今現在も、国家戦略特区を政府批判のネタに使っている。

「企業の農地所有の禁止」は最難題の岩盤規制のひとつだ。今回の農業特区では養父市・広瀬栄市長が「企業や地域外の人たちにも協力してもらわなければ、もはや地域の農業が立ち行かない」との危機感から果敢にチャレンジしている。

それにもかかわらず朝日は地域の様々な取り組みの腰を折ろうが、政府批判のためなら関係ないということ。朝日らしい悪質な印象操作記事だ。