2020年12月から、うちの地域で東電の検針票が廃止された。スマートメータ化が完了した時点で想定されたこと。廃止の数ヶ月前からチラシなどでの案内も投函されていた。

自分で使用電気量・料金を把握するには、東電(東電エナジーパートナー)のWebページにアクセスする必要がある。実際にやってみると、それほど面倒でもない。一度必要事項を登録しておけば、以降その情報を呼び出せるし。

東電からすればペーパレス化と言うかもしれないが、検針要員を削減できるメリットが大きいのは明らか。東電のコスト低減に付き合わされるとの見方もあるが、まあ時代の流れでしょうがないのかなと思う。

しかし、早速これに噛みついているのがいた。朝日新聞の論座に「検針票のペーパーレス化を無理強いする身勝手な東電に喝」(12月30日)を投稿した高知大准教授の肩書きがある塩原俊彦。経歴を見たら元朝日新聞モスクワ特派員とあったので、そう言うヤツ。

塩原の論考を読むと「パソコンでアクセスしたければ、自分で調べろというのだから、開いた口が塞がらない」「顧客の意志を無視した問答無用の『命令』」「電力会社の身勝手な姿勢を示している」と手厳しい物言い。

こういう考えの人がいても構わない。「紙の検針票を持ってこい!」「オレは客だぞ!」を前面に出すのもいいだろう。

ただ、塩原の根本の考えをよく示す言葉が出てくる。「東電は福島で核発電所の大事故を起こした企業である。この事故は決して天災ではなく、驕った経営者が引き起こした人災であると考えられる。こんな会社だから、いつまでも偉そうな態度をとりつづけられるのだろうか。大事故を起こしたにもかかわらず、経営体質はまったく変わっていないのではないか」。核発電所だってよ。

なるほど。東電の施策を批判しているのは、原発問題とからんでいるのか。塩原の考えの根底にあるのは反原発。なるほどね。

ウソ・捏造、印象操作。何でも使って、東電批判・原発批判を繰り返してきた朝日。その朝日OBが、やっぱり原発と絡めて東電批判をする。多分、ネタなど何でもよくて、ちょうと全国的に切り替え時期になっている検針票レス化にかみついたと言ったところか(塩原の居住地域では21年2月からと書いてあった)。

塩原が真に検針票レス化と東電の対応に憤っているなら、昨今の他業種の同様の施策はどう考えているのか? 銀行の紙の通帳の有料化(条件によって)。それ以前に、時間外のATMの手数料徴収。顧客サービスに手数料を取ってる。自分たちのコストを顧客に負担させてるんだぞ。

証券・株券、クレジットカードの利用明細など、ペーパレス化(電子化)とペーパー(希望)の有料化は、当たり前のようになっている。

塩原はこうしたすべての業界・業種の各社に対し、「○○会社・○○業界の身勝手な姿勢を示している」と、同じ批判をしているのか? 他の業種だって東電同様に通知のみでペーパーレス化(電子化)を行い、コスト削減を行っている。

塩原が言うような「東電は原発事故を起こしたくせに」は、いかに説得力のない物言いか分かるというもの。

塩原が東電を嫌いなのは別に構わない。現在は電力自由化が進み、地方でも新電力系業者から電気を購入できる。電力会社も使用者(ユーザー)が選べる時代に既になっているのだ。東電の施策やサービスに不満があるなら、さっさと切り替えればいいだけのこと。どうぞ、ご自由に。

それに、高知大准教授とか言いながら東電管内に住んでるんかい! 自分のプライドを満足させるために、高知大に腰掛けるな! 高知大もこんなヤツを使うな!