韓国・朝鮮日報は「金与正氏に名指しされた康京和外相も近く更迭か」と題する社説を掲載した。

康京和外相が新型コロナウイルスについて「感染者ゼロ」と主張する北朝鮮を「信じがたい」などと批判したことに対し、北朝鮮・金与正(金正恩の妹)が「われわれの非常防疫措置を差し出がましく批評した」と猛烈に反発したからだ。

北朝鮮の機嫌を損なわないことを最優先している(ようにしか見えない)文在寅韓国大統領の対応が注目されている。

北朝鮮・金英哲党副委員長が、軍事行動の完全撤回を求めた韓国・鄭景斗国防相を批判すると、文は国防相を交代させた(6月)。翌7月には、「国家情報院」のトップに、金大中大統領時代に秘書室長を務めた朴智元を起用した。北朝鮮への違法送金で有罪判決を受けた「従北派」だ。

さらには、北朝鮮に向けた体制批判のビラ散布の禁止などを盛り込んだ「南北関係発展に関する法律」の改正案を成立させた(12月)。これは軍事境界線一帯でビラを散布を禁止するものだ。

北へのビラ散布を巡っては、やはり金与正が韓国政府の責任を問う声明を発表。ビラ散布に対する法規制などの措置を要求し、開城工業団地内にあった南北共同連絡事務所を爆破したことは記憶に新しい。

「南北関係発展に関する法律」は、間違いなくビラだけでは済まされないだろう。北朝鮮や金正恩などを批判する言論全般に適用されることになるのは、火を見るよりも明らかだ。

このように北から批判されれば、北の意向に沿って対応する。だから朝鮮日報は「金与正氏に名指しされた康京和外相も近く更迭か」としたのだ。

文在寅からすれば、北主導での赤化統一を目指しているのだから当然の施策でしかない。金正恩・与正は文からすれば「偉大なる指導者」だからだ。韓国国民の「表現・言論の自由」を侵害してでもビラ散布を禁止するなど、ごくごく当たり前のことだろう。

すでに韓国は北朝鮮の属国に成り下がっているのも同然だ。ここまで金兄妹に忠誠を尽くしても、晴れて赤化統一した後に文が厚遇される保証は一切ない。ましてや、赤化朝鮮で悲惨な目に遇うのは韓国国民なのも間違いない。

こんな文を大統領に選んだのも、先の総選挙で左翼与党を大勝させたのも韓国国民。しょうがないね。