国際標準化機構(ISO)が中国で製造される泡菜の「作り方や運搬、保存法」に関して新たな規則を制定した。これを中国が韓国挑発に使い、韓国はマジ反論するという事態になっている。

まず、ISOは国際的に通用する規格を制定する機関。その制定する規格は、国際的な取引をスムーズにするために、何らかの製品やサービスに関して「世界中で同じ品質、同じレベルのものを提供できるようにする」との趣旨に基づく。そのためISO規格は「世界標準」的な意味合いになる。

そして、泡菜とは中国で作られる漬物一般を言い、キムチは「朝鮮泡菜」と呼ばれている。最近では泡菜=キムチのイメージも強いといわれる。

ことの発端は、中国四川省が「泡菜」の製造法などに関してISOに規格制定を働きかけたこと。そして、それが実現したということ。これを中国共産党の機関紙・人民日報系の環球時報が「ISOの承認を受け、中国の泡菜がキムチの基準になった」と報じた。

これに対して韓国では朝鮮日報・東亜日報・ハンギョレまで、保守系から左派系までがそろって反論している。ハンギョレは社説で批判する力の入れようだ。それは泡菜の作り方(キムチとの違い)から説明し、中国の言い分は「泡菜がキムチに化けるという言いたい放題」などと鼻息も荒い。

厳密には泡菜とキムチは別物だし、さらにISOは規格制定時「これはキムチには適用されない」と明確にしていたようだ。

それにもかかわらず環球時報が「韓国が『泡菜宗主国だ』という主張はすでに有名無実となった」などと韓国を挑発したのは、政治的な思惑が透けて見える。中国とアメリカの間で風見鶏的な態度を取っている韓国に対し、「いい加減意しろよ!」との中国からのメッセージのひとつではないかと思われる。

中国からすれば、まだ韓国がアメリカに色目を使っていることが気にいらないんだろう。最近もバイデン大統領誕生を見込んで、いろいろ動いているようだし。それにしても、韓国の文化とも深く結びつくキムチで攻めるとは、韓国の弱点が良く分かってるな(苦笑)。

韓国は食文化の代表とも言えるキムチを、中国に横取りされた気分なんだろう。でも「自分のことを棚に上げて」でしかない。韓国がなんでも自国が発祥だとする「ウリジナル」で他国、特に日本を侮辱していることは何? と思ってしまう。

韓国の「ウリジナル」では、同じように日本人が大いに腹を立てていることを韓国人は理解すべきだ。

朝日新聞は「文化や人種の違いをあげつらい、何が日本固有でどれが韓国由来かまくしたてることにどんな意味があるのか」(2017年10月の天声人語)と日本(人)を批判していた。ならば、こういうときこそ韓国に言ってあげれば。

「泡菜とキムチの違いをあげつらうことに何の意味があるのか」と。