沖縄タイムスの元社員が、国の持続化給付金100万円などを不正受給した詐欺容疑で逮捕された件で、沖タイがネット版で匿名報道したことを疑問視・批判した。
(「沖縄タイムス元社員の匿名報道はご都合主義だ」参照)
これを機に、沖タイに限らず新聞メディアがいかにご都合主義、ダブスタ、身内に甘いかを考えてみた。
新聞に限らず、企業が社員の不祥事を表沙汰にせず、内々の処分で済ませることは比較的多いのだと思う。もちろん犯罪行為ではなく、社員就業規則違反などの場合はしょうがないのかもしれない。
例えば、黒川検事長(当時)と賭け麻雀をやっていた朝日社員・産経記者、厚労省での取材中に怒鳴り散らした東京新聞記者の実名が報道されることは絶対にないのは、犯罪行為ではないからなのだろう(賭け麻雀は厳密には犯罪だが)。
しかし普通の国民から見れば、日ごろ偉そうに「国民の代表として」「権力監視があ~!」などと言っている連中が、都合良く逃げる様には違和感しか感じない。
しかもそんな新聞メディアは、犯罪行為であっても身内は匿名どころか報道すらしない「報道しない自由」を謳歌している。朝日は浜松支局長が「建造物侵入罪」で罰金10万円の有罪判決を受けたのに記事にすらしなかった(2018年)。
つい先日は、報知新聞社員が小学生に暴行したとして逮捕された。しかし読売は報道すらしていない。この社員は7月にも高校生に暴行し傷害容疑で書類送検されているにもかかわらずだ。系列会社だからとしか思えない。
ついでの話として、TBSも記者が万引きで逮捕された件を隠蔽しようとしたことがある(2016年)。新聞に限らずメディアはどこも傲慢でご都合主義だ。
そのくせメディアの連中は、相模原の障害者施設での事件や京都アニメーションの事件では被害者の実名報道にこだわった。被害者のご遺族が拒否しているにもかかわらず、多くの新聞が実名報道を行った。もしくは実名を発表しない警察を批判した。
新聞協会は「特に社会的影響の大きい事案で被害者を原則として実名で報じるのは、実名が事実の核心であり、正確な報道に不可欠である」と言う(「メディアスクラム防止のための申し合わせ」との声明から)。
「実名が事実の核心」と言うなら、加害者の実名報道をしてから言えと言いたい。それをせずに被害者の実名報道にこだわるのは本末転倒だ。別に加害者を「さらす」ことが目的ではない。事件の経緯などの深掘りは再発防止への第一歩だ。そのためには加害者側の事情が重要なのであって、被害者のそれではないのは明らかだ。
自社社員の犯罪を報道しない、特定の意図で加害者を実名報道しない新聞が、「実名が事実の核心」などと恥ずかしげもなく言う。なんと傲慢なことか。
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「朝日新聞は自社支局長の犯罪を報道しろ!」
「TBS記者・白畑将一を万引きで逮捕! それを隠蔽するTBS」
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