アメリカ大統領選の最終決着がどうなるにせよ、結局はトランプvs反トランプだった。バイデンは反トランプがまとまるための駒でしかなく、民主党は当たり障りのない選択をしたに過ぎない。

民主党は中道派とリベラル派の対立、特に耳障りの良いことを言うサンダースに代表されるリベラル派が候補者となり、党内が分断されることを避けただけである。積極的にバイデンが支持されたわけではない。

それは日本国内の左派系メディアの報道姿勢もそうだ。例えば朝日は11月10日の社説「米大統領バイデン氏当確 民主主義と協調の復興を」の中で、「大きく分ければ『コロナ』と『経済』に争点が割れた選挙だった」と書いた。

実はこの論調がトランプvs反トランプの象徴だ。トランプの実績は良好な経済状況だ。これに対し反トランプ(バイデン)の主張はコロナ対策の失政だ。別にバイデンのコロナ対策が評価されたわけでも何でもない。

奇しくも朝日ですら、バイデンの何が支持されたのかを示せていない。

このように終始、トランプの実績とトランプの失政の争いだった。この実績と失政も、それぞれの側での主張でしかないわけで、見方しだいで実績であり失政である。そこにはトランプしかおらず、バイデンは影すら見えない。

こういうことからしても、やっぱり今回の大統領選はトランプ以外の登場人物はいないも同然だったということだ。

そんな大統領選だったが、どのような形で終わるにしても米国人の選択であり、日本人がどうのと言うことはない。朝日のように「民主主義がぁ~!」などと大上段から何を言ってるんだと思ってしまう。もちろん、個々人ごとに今後の世界情勢などを考慮すればトランプの方がふさわしい、いやバイデンだというのはあるだろうが。

それにしても、今年初めはトランプ圧勝だと思っていた大統領選。新型コロナがすべてをひっくり返した。トランプが中国とWHOへの恨み辛みをブチブチ言い続けてきた気持ちは良く分かる。

しかも、ここに来てファイザーが開発中の新型コロナウイルスワクチンが、臨床試験について「90%を超える予防効果がある」とする結果を発表した。暫定結果ではあるが、これがもう1ヶ月早く発表されていたら、大統領選がこんなに混沌とすることはなかっただろう。

米国大統領選関連
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