朝日新聞の論座に元朝日の佐藤章が小沢一郎を持上げる論評を書いていた。「小沢一郎『絶対次の総選挙の後は我々の政権だよ』の根拠」だ。小沢一郎が何を根拠にこんな戯言を言っているかさっぱり分からなかったので、ド偏向で有名な佐藤章の文章だが、我慢して読んでみた。

佐藤は小沢を気持ち悪いほど持上げている。まあ、それもいいだろう。我慢、我慢。小沢が議員を続ける最大の理由は「議会政治の日本への定着」であり「政治改革」だという。そして、その目的達成のための手段が「政権交代」。

ふむふむ、それで? ところが、この後は延々と安倍批判や、合流新党に反対した玉木雄一郎や山尾志桜里をディスり続ける。「彼らは多くの凡庸な政治家の一人となり、淘汰されてしまうのだろうか」だってさ。

そして、やっと出てきたのが、菅新首相が安倍政権の路線を継承すると言っていることだという。安倍政権には「国民の大半は大きい失望を味わっている」から。さらには菅新首相も、遅かれ早かれ失政を引き起こすという、佐藤の予言というか願望というかを書いているだけ。

小沢の「絶対次の総選挙の後は我々の政権だよ」の根拠が、菅新首相が「安倍政権の路線を継承する」から? 菅新首相が失政を引き起こすから?

鼻で笑ってしまう。だって小沢がその発言をしたのは8月15日のこと。安倍前首相が退陣を発表したのは8月28日。菅新首相が自民党総裁に選出されたのは9月14日。さらには、佐藤は新立民の枝野が消費税減税を口にしたことも挙げている。でも、これも9月15日のこと。枝野の発言は選挙目当てが明らかだけど。

結局は小沢発言の根拠らしきものは、佐藤の論考からは何も読み取れない。長めの文章を我慢して読んだのに。強いて言えば「安倍政権は国民から失望されているから」になるのかもしれないが・・・。

でも「安倍政権は国民から失望されているから、野党がひとつになれば政権交代」は、小沢発言のすべて。それをなぞって「根拠だ」と言われても。しかも菅新首相や枝野減税発言は後付けだし。

小沢には小沢なりの成算があるのかもしれないが、佐藤が一生懸命忖度しているだけ。何が「根拠」だ。タイトル詐欺の何物でもない。朝日がタイトル(見出し)で印象操作するのと同じことだ。

佐藤が小沢発言で「これで政権交代だ!」と喜ぶのはいいけど、こんな中身のない戯言を載せる朝日も朝日だ。まあ、同じ思いなんだろうな。

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