元朝日新聞論説委員(現上智大教授)・小此木潔というのが、朝日新聞の論座で「コロナ感染拡大をいつまで放置するのか?」と政府批判をしている。
「新型コロナウイルス感染症の拡大阻止に有効な対策を打ち出せていない安倍政権」「無策も同然」「このままでは医療崩壊を招く」「Go toキャンペーンなどで、むしろ感染拡大の要因を作っている」と言いたい放題。さらには沖縄県の感染者増加は「Go toトラベルなど国内の旅行者からの感染によるものだ」と断言。
小此木は経済記者だったようだが、いったい何のデータや知識からこんなことを言っているのだろうか?
政府の分科会の分析によると、感染のピークのは7月27~29日とみられると明言している。7月27日から始まった「Go toトラベル」と感染者増加には、何の関係もないと言っているに等しい。
また沖縄県の感染者増加に関して、県の専門家会議の委員(医師)は「県外から沖縄に戻った人がウイルスを持ち込み、市中感染につながった」との見解を示している。
政府の分科会や沖縄県の専門家会議委員は、小此木とは真逆のことを言っている。もちろん、現段階ではどちらの言い分が正しい(結果として)のかは判断できない。
しかし小此木の言い分は、自身の「思想」や「主張」に基づいていることだけは確かである。そう、根底にあるのは「安倍批判」。小此木は現状を自らの「感情」で判断しているだけだ。そこにはデータの把握や分析はない。朝日などの煽りメディアが報道する「今日の感染者は1000人を超えました」的なものを、政権批判に結びつけているだけだ。
それに沖縄県の医療が逼迫してきているのは、玉城デニー知事の失政である、療養用ホテルの不足など、明らかである。小此木は、これに関しても「政府は大きな責任を負っている」と、まるで「政府のせいだ」と書く。
新型コロナに関しては、専門家と称する人の中でも意見が割れている面はある。だからこそ、メディアはそれぞれの言い分について、きちんと把握・評価したうえで報じなくてはならない。
ところが、メディアは自らに都合の良い言い分しか報じない。朝日の場合は、それに記者の「思想」や「主張」が混じるので、まったく信用性のない記事になる。小此木はさすが元朝日だけあって、これを実践している。
「Go toキャンペーンなどで、むしろ感染拡大の要因を作っている」「(沖縄県の感染者増加は)Go toトラベルなど国内の旅行者からの感染によるものだ」などと、根拠も示さず断言する悪質さには呆れるしかない。
朝日の好きな「複眼的」という言葉を、今こそ小此木に贈る。
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