朝日新聞8月16日の社説「閣僚靖国参拝 問われる政権の歴史観」は、朝日が自ら政治問題化し、そして自ら問題視するマッチポンプ社説だ。それにしても使い古した自作ネタをまだやってるのかと呆れるばかりだ。

朝日は「敗戦から75年の日に、安倍内閣の4閣僚が靖国神社に参拝した。政権全体の歴史観が問われる事態である」「東京裁判で戦争責任を問われたA級戦犯も合祀されている。侵略の被害を受けた国々を中心に、日本が過去の過ちを忘れ、戦前の歴史を正当化しようとしていると受け止められても当然だ」と鼻息も荒い。

日本のためにその身を捧げた英霊を悼む気持ちの表現に善し悪しはない。靖国神社だからとか、A級戦犯が合祀されているとかは朝日史観でしかない。それにB級・C級戦犯にされた方々も合祀されている。A級はダメだけど、BC級ならいいのか? まさか区分を知らないわけでもあるまい。ことさらA級と書き、誤誘導でも狙っているのか?

それに「戦前の歴史を正当化しようとしていると受け止められて当然」とは、どういうことだ? 「靖国参拝問題」とは朝日が中国に「問題視してくれ」と頼んたから政治問題化したものだ。ある時まで、中国は(もちろん韓国も)要人の靖国参拝をまったく問題視していなかった。首相はもちろんだが、昭和天皇が参拝しても関心を示めさなかった。

ある時とは、1985年に中曽根康弘首相(当時)が「戦後政治の総決算」を謳い、首相として公式参拝をする計画を表明した時だ。これに危機感を持ったのが朝日。朝日の「戦後」とは日本の戦争責任を執拗に追及し、中国・韓国などへの謝罪を永久に求めるという、日本を卑下し貶める材料だからだ。

それを「総決算」されてしまうわけには行かない。朝日は中国に対して靖国参拝を問題視してくれと「ご注進記事」を書いた。加藤千洋の「中国『日本的愛国心を問題視』」(8月7日)だ。

中国が問題視していないのに「問題視」とは笑ってしまうが、朝日は15日の参拝以降も悪意のある記事を書きまくった。それでも中国は反応を示さなかった。痺れを切らした朝日は、訪中する社会党の田辺誠書記長(当時)を巻き込み、さらなる「ご注進」を依頼した。「とにかく批判してくれ!」。

その甲斐あって、8月26日になってやっと姚依林副首相(当時)が、中国政府要人として初めて靖国参拝を批判した。加藤千洋が参拝批判の記事を書いてから約20日、中曽根首相が公式参拝してから10日以上経ってからだ。朝日の念願がかなった瞬間だ。

「靖国神社参拝問題」とは、朝日が中国に「問題視してくれ」「とにかく批判してくれ」と頼み込んで始まったのだ。

ちなみに韓国も靖国参拝を批判するが、中国に便除した反日政策のひとつでしかない。反日でしか生きられない哀れな国だ。

だから「戦後レジームからの脱却」を謳う安倍首相が、朝日から目の敵にされるのは当然のことなのだ。朝日は何年たっても日本を卑下し貶められる「戦後」を失いたくないからだ。

朝日は「戦後」を守る(維持する)ために、捏造まで繰り広げてきた。ご存じの「慰安婦強制連行」や「南京大虐殺」の印象操作本「中国の旅」(本多勝一)など。さらには、その時々で「日本軍の毒ガス写真」(実際はただの「煙幕写真」)や虚構である731部隊なども利用してきた。

そのほとんどはウソがばれて使い物にならなくなっている。残っているのは靖国参拝問題だ。これを朝日が手放すはずもなく、懲りもせず毎年同じようなことを書く。戦後75年経ってもなお靖国神社を「戦後」の象徴として攻撃を続けるのはそういう理由からだ。

自分の数々の捏造はすぐに忘れるのに、日本を卑下し貶めるのには執念を燃やす。本当にクズ紙としか言いようがない。