8月10日開幕予定だった「夏の甲子園」大会の中止が決まった。甲子園にかける高校球児の思い、特に最後の夏となる3年生の思いはいかばかりかと推察される。他の高校スポーツ(インターハイなど)も軒並み中止になっていることを考えれば、いたしかたないと思う。

この決定に一番喜んでいるのは「春の甲子園」を主催する毎日新聞だろう。5月8日には「夏の甲子園 迫るリミット」と題し、「開催するなんてとんでもない」と言わんばかりの記事を掲載していた。

「力の低下や実戦的練習の不足は、試合でのけがを招く恐れがある」「臨時休校の影響で夏休みが短縮される可能性があり、部員が教育を受ける権利の妨げになる」とか。

また実施したら「球場出入り口での検温やアルコール消毒」「使用したベンチなどの消毒」「バスでなく保護者らの自家用車での送迎」「移動負担を減らす試合の組み合わせ」など、すごい大変だぞとプレッシャーをかける。

まあ、これはこれで正論でもあるので、あながち毎日新聞を批判するものでもないけど。しかし毎日新聞の「心配事」は純粋に球児への配慮だけではなく、高野連と朝日新聞への「やったらえらいことになるぞ!」との無言の警告に感じる。ご存じのように「春の甲子園」は中止となった。「オレのところは中止なのに、朝日にだけにやらせてなるものか!」との思惑がにじむ。

日ごろは偏向左派メディアとして、ウソ・捏造なんでもありの「お仲間」だが、高校野球利権ではライバルだからね。朝日新聞などは真夏の大会への批判には目もくれず、お涙頂戴の美談に仕立てた記事で毎年煽ってきた。選手や応援の生徒が熱中症で救急搬送されても、絶対に報道しない「報道しない権利」を行使して利権を守ってきている。

過去には「運動部のみんな、熱中症『無理』『もうダメだ』の勇気を」と、無理だと思ったら言う勇気をと書きながら、高校野球になると「猛暑にどう備えるかで、大会の成否が決まる」と嘯く始末。

とある大学教授の試算だと、「春の甲子園」での経済損失は約290億円。夏の場合、それが約672億円と予想される。たかが高校生のスポーツでと思うが、両紙にとっては絶対に手放したくないドル箱。もちろん、こういう金額が、そのまま両紙に入るわけではないけど。

新型コロナ禍では、様々な面に大きな影響を及ぼしている。国民の生活様式(形態)まで大きく変えることになっている。この影響はまだまだ続くだろう。感染が終息しても、ワクチンや即効薬ができるまでは注意しながらの生活になる。

野球だけではなく、打ち込んできた部活(文化部含め)の大会が中止になるのは、特に3年生にとって辛いことであると思う。かける言葉もないが、心の整理をして次の目標に向かって欲しい。