朝日新聞に「ブライダル業者が民事再生法申請」という記事があった。記事の最後に、社長の「コロナがなかったら・・・」とのコメントを載せることで、新型コロナによる利用客激減による倒産と読ませる内容。
ところが、記事を読むと疑問が湧いた。「ジリ貧企業じゃねえか」と。
記事中には「(最盛期の)2008年には売上高約60億円を記録した」「昨年(2019年)6月期の売上高は約38億円で赤字を計上した」とあるように、少子化やジミ婚、式を挙げない(ナシ婚)カップルが増えてきたことに対応できずに、10年以上わたって売上減少を続けてきた「倒産予備軍」でしかない。
少しこの企業について調べてみたら、昨年だけでなく一昨年(2018年)も赤字。朝日は負債額を33億円としているが、50億円とするサイトもある。
しかも「同族企業でワンマン」「今後成長が見込める要素はない」「能力の高い人はどんどん辞めている」との社員(元含む)コメントもある。
もちろん、新型コロナの影響による結婚式や貸衣装のキャンセルが相次いだことがダメ押しになったのだろうが、こういう企業の倒産をいかにも新型コロナによる影響のひとつのように報じるには違和感がある。
だって朝日はこの記事を経済面でなく、「新型コロナウイルス最新情報」の中で書いている。つまり、新型コロナによる倒産と考えているからだろう。
朝日が意図的に印象操作を狙ったとは思わないが、この時期に倒産したら社長は「新型コロナのせいで」と言うだろうな。無能な社長ほどそう言うだろう。当然ダメ押しは新型コロナだろうが、本質的な企業状況をよく調べて書いた方がいい。
新型コロナが経済に与える影響は甚大で、今後も倒産企業が増えるだろう。連鎖倒産も起きるだろう。しかしその際に真因を明確にしないで、なんでも「新型コロナがぁ~!」「政府は援助しろぉ~!」みたいな論調になるのは違うのではないか。
最後に誤解して欲しくないのだが、「潰れてもしょうがない」と考えているわけではなく、補償や補助をする場合は「真に必要なところにしろ」ということを言いたいだけ。明らかに新型コロナの影響(自粛含む)による売上げ減とは区別する必要があるということ。
コメント