元朝日新聞記者・植村隆が元慰安婦報道を「捏造」とされ名誉を傷つけられたとして、櫻井よしこ氏や出版社を訴えていた訴訟の控訴審(札幌高裁)でも、1審の札幌地裁判決に続き敗訴した。

まあ当然だろう。

植村は「これは非常に恐ろしい判決です。このような認定では、取材もせずにウソの報道ができるようになります。司法がフェイクニュース、しかも捏造というフェイクニュースを野放しにすることができる」だってさ。

よく言うわ、とんだ戯言だ。そのまま植村にお返ししよう。

金学順を「挺身隊として戦場に連行された」ってウソだもの。裁判では挺身隊と慰安婦が当時は混同されていたみたいに、「挺身隊」が論争になっているようだが、実際は「連行された」の方が重要だと思う。だって金学順は「連行」されてないから。

植村は「連行」は「連れて行かれた」という意味で使ったと後に言っているが、新聞記者の頭の中のまで「忖度」して記事を読めみたいなバカなことを言う。後に、この言い訳を真似して同じことを言ったバカな捏造記者も出てきた。もちろん朝日。

「連行」を辞書で引けば、だいたい「本人の意思にかかわらず、連れて行くこと。特に警察官が犯人・容疑者などを警察署に連れて行くこと」と出てくる。母親が子供を幼稚園に連れて行くことを「連行する」とは言わない。当たり前だ。

あの大甘提言を出した朝日の第三者委ですら「だまされた事例であることをテープ聴取で明確に理解していたにもかかわらず、この前文の表現は『女子挺身隊』と『連行』という言葉の持つ一般的なイメージから、強制的に連行されたという印象を与える」と指摘しているくらいだ。

朝日新聞も「この女性(金学順)が挺身隊の名で戦場に連行された事実はありません」と認めている。でも植村の記事は「捏造」ではなく「誤解を与える」だと、第三者委も朝日も言う(苦笑)。

それは植村が記事で金学順を「連行」した主語をぼかしているからだ。しかし普通に読めば、それは「旧日本軍(関係者)」と読み取れる。だから札幌高裁も「金学順氏が日本軍人により強制的に慰安婦にされたと読み取るのが自然である」と認定した。

ごくごく当たり前の判決だと思う。

それに、植村の第一報直後に金学順が「母親にキーセンに売られ、後に養父に慰安所に連れて行かれた」と会見で言っている。この時点で植村の記事は破綻していたのだ。すぐに訂正を入れれば、こんな大ごとにはならなかっただろうに。当時の他の朝日記者ですら「あぁ、訂正が出るんだろうなと思った」と語っているほどだ。

でもそうすると、朝日の吉田清治を使った侮日記事(慰安婦報道)の一角が崩れると、当時の大阪社会部が無視したんだろうな。それは朝日全社の意思でもあったろう。

そんな朝日も現在は植村に対して冷ややかなのかと思ったら、編集委員の北野隆一あたりは未だに必死に応援(擁護)しているようだ。北野は沖縄タイムスの阿部岳と連んでいるようなヤツだし。30年以上とぼけていた朝日が反省してないのは良く分かるけどね。

植村は他にも、西岡力・麗沢大客員教授や出版社を名誉毀損で訴えているが、東京地裁の1審で敗訴している(控訴中)。最後まで足掻くのもいいけど、この一連の流れの中で左翼誌の社長の座を手に入れ、韓国ではヒーロー扱いなんだから、それで充分じゃないの。「捏造」で得たものは望外だろう。

ただ韓国を増長させた罪は、過去の日本政府同様に重い。