四国電力伊方原発3号機の運転差し止め求めた即時抗告審で、広島高裁は運転差し止めを認めた。
訴えていたのは伊方市の対岸にあたる山口県(東部の島)の住民「3人」。広島高裁・森裁判長は「原発の近くに活断層がある可能性を否定できない」「(熊本県の阿蘇山についても)一定程度の噴火を想定すべきだ」との理由を挙げている。
だったら、飛行機がこの空域を飛ぶのも危ないし、新幹線や電車を走らせることも危ない。高速道に限らず自動車も走っていたら危ない。それ以前に、人が出歩くことはもちろん、人が住んでも危ないとなる。
この論理で行くと、原発のある地域周辺は人が済むには危ない地域だとなる。つまりは、沖縄以外には人が住めないと言うことになる。だから原発を全部なくせと言うのは自由だ。しかし、それで本当に電力の安定供給ができるのだろうか。
老朽化の懸念もつきまとう火力発電に依存し、電気料金は高止まり。再エネ賦課金などという訳の分からない費用まで取られる。化石燃料をモクモク燃やせばCO2が大量に排出される。石炭なら尚更だ。だから再生可能な自然エネルギー(太陽光や地熱・風力)で賄えって言うのは自由だ。しかし、現実的な対応なのだろうか。これこそ、電力の安定供給ができるのだろうか。
火力発電の元になる原油を依存する中東は年中不安定だ。自衛隊を間接的にだが派遣すると言えば、危ないから行かせるなと言うのは自由だ。しかし、そんな危ない地域を民間のタンカーに自衛しながら航行しろと言うのは、現実的なのだろうか。
もちろん、活断層や阿蘇山噴火のリスクもゼロとは言わない。当然、様々なリスクを検討することは必要だ。その上で、リスク管理を行い現実的な対応を取ることが賢明な判断ではないのか。
原発を稼働させないために色々言うのはいいけど、それによって「人は住むな」と言っているに等しいことに、この裁判長は気付いていないようだ。
この空域での飛行機の航空差し止め、電車運行の差し止め、自動車走行の差し止めを「活断層と阿蘇山噴火」を理由に求めたら、この裁判長はどう判断するのだろうか?
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