朝日新聞7月24日の社説「投票率48.80% 政党が『棄権』に負けた」は、明らかに間違っている。

朝日は低投票率について「与野党ともに敗北を喫した。そう言われても仕方あるまい」と言う。その理由らしきものとして、与党は「『安倍1強』のもと、多様な民意に向き合おうとしない強引な政権運営」、野党は「力不足」を挙げる。

野党はその通りだが、与党はこじつけ以外の何物でもない。マスコミは「安倍1強」という言葉が好きだが、これは有権者が選んだものである。それに、これも朝日が好きな言葉だが「多様性」を認めないと言うが、ノイジーマイノリティの声のみが求められているわけではない。朝日はサイレントマジョリティーの声を無視し過ぎである。

朝日は与党が勝ったとは書きたくない。でも野党が勝ったとは絶対に言えない。そこで、低投票率を持ってきて「両方負けた」とした上で、その責任の大きさを与党側にこじつけた格好。

苦しい言い分だ。野党が選挙後のことを語れなかったことが抵投票率(盛り上がらない)の一番の理由だろう。「野党共闘」は「野合」だと国民は見抜いていただけのこと。

与党がこれまでの実績中心に訴えるのは当然のこと。野党はこれを上回る魅力のある政策を訴えなければならない。それなのに、相変わらず批判中心なのだから有権者に受け入れられるわけがない。絵空事(非現実的)を言っていた一部政党が思いがけない得票を得たのは、逆に皮肉なことだったけど。

まあ、横綱が堂々と横綱相撲を取ったら、相撲は盛り上がらないものだ。下位の好調な力士が横綱に挑戦するとなれば、観客も番狂わせに期待する。これと同じ。横綱に一泡吹かせるような好調な力士がいなければ、観客の期待感も膨らまない。

野党に期待できない。その結果が低投票率に繋がったと考える方が妥当だ。少なくとも朝日が言う「『安倍1強』のもと、多様な民意に向き合おうとしない強引な政権運営が続いていること」などとは無縁のことだ。

そして、野党に期待が持てない理由のひとつに、朝日の「立民過保護」がある。何をやっても(と言うか何もできなくても)擁護する姿勢は、立民の成長を妨げているのは明らかだ。(「朝日新聞よ、立民を『過保護過』にしても育たないぞ」参照)

枝野の過去の発言との整合性の無い発言の数々、福山・辻元・蓮舫などのパフォーマンス優先と説明責任の放棄。いくら朝日が隠そうとしても、ネットで真実が即座に知れ渡る。

風のみで政権交代が起こることは2度とない。政策で与党を上回るしかない。「安倍憎し」でいくら記事を書いても、年寄り左翼しかなびかないことに気付いた方がいいぞ。