朝日新聞5月13日社説「即位と恩赦 前時代の遺物と決別を」は、朝日新聞自らの古い遺物をどうにかした方がいいなと感じざるを得なかった。

政府が天皇陛下ご即位を公に宣明する今年秋の「即位礼正殿の儀」にあわせ恩赦を行う方針なのに対して、朝日新聞は批判・反対している。その理由が「天皇の即位ということになれば、時の支配者が慈悲や寛大さを示し、その支配権をより強固にするために恩赦を利用してきた過去と重なる」「国民主権や象徴天皇制をかかげる憲法の理念にそぐわないことは明らかだ」と。

まあ、なんとも古くさい思想を持っているのか。朝日が言う「象徴天皇制をかかげる憲法の精神」などとは露とも思わないが、確かに時代は変わっている。時代が変わっているのにもかかわらず、相変わらず「支配者」とか「支配権をより強固に」なんて過去の遺物思想を持ち出すことに、大きな違和感を感じる。

それを持ち出して政府批判をする朝日の古くささは、天皇という存在への忌避感も漂わせる。こういう朝日の皇室全般への考えは、多くの国民感情とは大きく異なることは確かだ。

朝日はもう少し歴史を勉強した方がいいな。天皇が「権力者」だったなんていつの時代のことだ。明治から昭和20年までは「権力者」だったと考えているのかもしれないが、「立憲君主」は「独裁的権力者(専制君主)」とは全く違う。

「支配権をより強固に」などと書く所から見て、「立憲君主」と「独裁的権力者」の違いが分かってないのは明らか。

また朝日は「恩赦の全てを否定しているわけではない」と、新天皇ご即位に伴う恩赦はダメだが、一般恩赦はOKだと言っている。恩赦を弱者救済とでも考えているのか? ますますバカらしい。天皇・皇室への忌避感と犯罪者を弱者と見立て、それに寄り添う自分に酔う。正に朝日の基本思想であり基本姿勢だな(苦笑)。

最後に、個人的には「恩赦」そのものには反対だ。いくら慶事とは言え、裁判を通して確定した刑罰が減免されるのはおかしなことだと思う。まあ、殺人犯が堀の外に出てくる恩赦はないだろうが。もちろん「一般恩赦」にも反対だ。罪を犯した者は、その罰が完結するまで償うべきだと思う。