5月18日のTVニュースで、池袋暴走事故の飯塚幸三容疑者が警視庁の任意の取調べを受けたという映像を観た。

飯塚幸三容疑者
飯塚容疑者の姿を見て唖然とした。退院直後ということを差し引いても、両手に杖を持ちおぼつかない足取り。「よちよち」という表現がぴったり。こんな状態なのにクルマを運転していたのか。

飯塚容疑者は警察署を出る際に小声で「申し訳ございません」と話したが、退院前の事情聴取では相変わらず「アクセルが戻らなかった。ブレーキを踏んだが利かなかった」などと答えている。クルマに異常がなかったことは判明しているので、自身でクルマを制御出来なかったことは明らかである。

言い訳をしているということは、自分がクルマの運転が出来ない状態ではなかったと言いたいのだろうか。自分に過失がなかったと考えているとは思いたくないが、真に反省しているのか疑問が残る。

現在、高齢者の運転免許更新時に認知機能の確認は行われているが、身体の衰えのチェックはほとんどされない。最低限の腕力・脚力など、身体的に運転に耐えられるかはチェックが必要ではないか?

障害者の方々の運転には、それをサポートする専用クルマや装置がある。高齢者にもそういうサポート装置付きのクルマ限定免許にするとか、考えた方がいいのではと強く思う。もちろん、限界や危険を感じたら自ら免許返納などの対応を取ってくれるに越したことはないが。

高齢者ほど運転に自信をもっているという調査結果を以前書いたが、こういう現実から返納をあてにするより、限定免許などのなにがしかの強制措置が必要な時期に来ているのではないか。(「池袋暴走事故に思う高齢者の運転問題」参照)

メディアは逮捕されていないことから、相変わらず「容疑者」ではなく「元院長」などと呼んでいるがバカらしいことだ。また、警視庁も退院後も任意の聴取をしたということは、逮捕しない方針は変わってないらしい。逮捕されていなくても明確な容疑がかかっていれば「容疑者」と呼んで差し支えないので、オレは「容疑者」と書くけど。

事故後の飯塚容疑者の姿がTVで流れたこと、その姿が余りにもよぼよぼ(ちょっと失礼な言い方だが)なことから、ご遺族はいたたまれないだろうな。改めて、亡くなられた女性とお子さんのご冥福をお祈りする。