初の米朝首脳会談が6月12日、シンガポールで開催された。その開催を前に朝日新聞が相変わらずの論調をしていた。6月8日の「歴史的会談(予定)を前に」。書いたのは国際社説担当・箱田哲也。こいつは国際社説担当とかいいながら、もっぱら朝鮮半島ネタしか書けない御仁。そして目線はあっちの方にしか向いていない。

箱田が書くには、米朝首脳会談の分析として「北朝鮮が厳しい制裁と軍事攻撃の脅威に耐えかねたからだとの言説があるが、そう言える明確な根拠はない」だそうだ。

で、「外的な要因にかかわらず、北朝鮮は経済再建に集中するため核放棄を決断したのだとの指摘がある」とか言う。誰が指摘しているのか知らないが、こんな見方をするのは箱田自身とお仲間たちくらいだろう。

圧力論には「明確な根拠はない」と言うなら、自身の見立ても「明確な根拠はない」。でも、そうは書かない。

金正恩が本音を言うことはないから、どちらの見立てが正しいかは不明だが、客観的な状況を普通に考えれば、「厳しい制裁と軍事攻撃の脅威に耐えかねた」の方が妥当ではないか。朝日新聞的には、意地でも日本(と言うか安倍首相)の成果を認めたくないのだろう(苦笑)。

「すべてが日本の頭越しにすすんでいる」とか書くが、G7で果たした日本の役割や日米首脳会談での内容など(もちろん、それ以前の取り組みも)はすべて無視ですか(苦笑)。

そして極めつきは「(金正恩が)かなりの合理的な考えの持ち主と確認できたことだ」だって。不満分子をすべて排除し(親族とて容赦なく)、国民が飢えて苦しんでいても省みず、自分の身の安全しか考えず、中国に泣きつき、そして米国に泣きついた男を「合理的」とは。

箱田の人物評に多少乗るなら、「自分の身を守ることに対しては、極めて合理的で柔軟」と言ったところか。

朝日新聞はこと朝鮮半島の話題になると、途端に眼が曇る。箱田は昨年の4月にも「『緊張高まる韓国』なのか」というお花畑論調をしており、世界的な北朝鮮包囲網とそれに対する北朝鮮の怯え、韓国の能天気ぶりには触れない。あえて、見ない振りをしているのだろう。
(「朝日新聞が『危機を煽るな』とおっしゃっているぞ(笑)」参照)

どこの国の新聞なんだ?