朝日新聞が新潟知事選の関して「花角氏、再稼働反対票も取り込む 新潟知事選、出口分析」という記事を載せた。署名は峰久和哲。

峰久は花角氏が勝利した理由として、「原発再稼働反対」票のうち37%を取り込んでいた。「再稼働問題を争点としない花角氏の戦術が功を奏したことを示している」と結論付けた。

何と安直な。朝日新聞からすれば、新潟県知事選の争点は原発問題しか興味がないのだろうが、県民からすればそんなことにはならない。

峰久も書いているが、県民が投票の際に最も重視した政策は、①原発への対応(28%)②景気・雇用(25%)③地域の活性化(18%)④医療・福祉(14%)⑤子育て支援(11%)の順(朝日新聞の出口調査)。

原発問題への関心が高いことは認めるが、県民が知事に求めるものが明確に示されているではないか? それがなぜ「再稼働問題を争点としない戦術が功を奏した」になるのか?

単純に社民党系の左派候補者では、景気・雇用も良くならない、地域も活性化しないと判断されただけのこと。潤うのは自治労、新潟県教くらいなのが見え見えだからだ。

朝日新聞の出口調査でも、「景気・雇用」を選んだ人の70%、「地域の活性化」を選んだ人の63%から(花角氏は)得票とある。

原発再稼働反対でも、それ以上に国とのパイプや景気対策を重視した県民が多かったと、なぜ考えないのか? 原発再稼働反対と考える人は野党候補に投票するのが当然とでも考えているのか?

どんな選挙でも「single issure」なんてことはあり得ない。国政にしても地方にしても様々な課題や問題点があり、それに対してどんな公約を掲げているのかを有権者は総合的に判断する。当然、有権者個々人によって、その軽重や優先順位は変わってくるが。

ところが朝日新聞は、いつも自分たちの思想に合わせた争点しか目に入らない。そして、その「single issure」でしか判断できない。だから「花角氏の争点隠し」などと無様な分析を堂々と記事にする。

負惜しみを言うのは自由だが、「私は朝日新聞視点から抜け出せない無能な記者です」と宣言してるようなものだ。恥ずかしいことだ。