朝日新聞2月11日の社説「票の焼却 選挙の重み忘れた不正」を読んで、過去は都合良く忘れるんだなと笑ってしまった。

昨年の衆院選の開票で、滋賀4区の甲賀市の職員が、票数が足りないために白票(無効票)を数百票水増し、後で見つかった未集計の数百票を、開票せず焼却処分していた問題。問題と言うより事件。

「選挙制度への信頼を損ねる、許しがたい不正行為だ」
「権者の示した意思を無に帰してしまった」
「一票の重みへの理解を欠く」
と、当たり前の論調。そりゃそうだ、民主主義の根幹をなす選挙での不正なので、当たり前の反応。

この社説の中で、過去の不正として2013年の参院選での高松市の事例もさりげなく載せている。思わず苦笑。

高松市の事例を朝日新聞はどう報じたか、忘れているようだ。ちなみに、このとき高松選管は特定の候補者(自民党)の得票を白票にすり替え、意図的に「0票」にした犯罪(実際は312票あった)。もちろん、実行犯は有罪判決を受けている。

朝日新聞は「投票総数が交付した投票用紙より少なかったことから、思い込みで白票で辻褄を合わせた」と「勘違い」色を前面に出し、高松選管を擁護していた。しかも「勘違い」を連想させるポンチ絵まで載せていた。

しかも、逮捕はベタ記事、起訴されてやっと記事にした。それが上記の内容。ところが、今回は逮捕もされていない段階から社説に書いている。朝日新聞が書く「選挙は民主主義を支える仕組みだ。その公平性が傷つけば、政治への信頼性そのものが揺らぎかねない」なのは、まったく同じなのに。

理由は簡単。高松市の件で捕まったのは「自治労」で、今回の首謀者は総務部長などの管理者。自治労が捕まれば「勘違い」と大擁護、管理者(非組)なら逮捕前から大批難。

分かりやすいにもほどがある(呆)。

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