朝日新聞論説委員・坪井ゆづるが、日本記者クラブ主催の党首討論会で安倍首相から受けた「屈辱」を晴らそうと、コラム(政治断簡)で反論した。「首相こそ、胸を張れますか」だって(10月20日)。
国会の閉会中審査での加計学園問題のやりとりで、加戸前愛媛県知事の証言を一般記事で取り上げなかったことを安倍首相に批判され、ムキになって「(報道)しています」と答えたこと自体が恥ずかしいことなのに。
坪井に言わせると「選定の過程に関与していない加戸氏の記事が少ないのは当たり前ではないか」だそうだ。
百歩譲ってこの言い分を認めたとしても、では最終的な意思決定を行う特区ワーキンググループの八田達夫座長の証言報道が、もっと少ないのはなぜ?
八田座長は月刊誌に寄稿した「『岩盤規制』を死守する朝日新聞」の中で、朝日新聞に5つの質問をしている。朝日新聞はなぜ八田座長の質問に答えない? 答えられないんだろうけど。
坪井がどう取り繕っても、朝日新聞が公平な報道をしていないことは明らかで、特定の意思を持って報道していることも明らかだ。
朝日新聞が固執するする「加計学園問題」の挙証責任は朝日新聞にある。それなのに、朝日新聞は首相側に「ない証明をしろ」と繰り返す。
坪井も「問題は行政がゆがめられたかどうか」と言っている。じゃあ、具体的な指摘をすればいいだけではないか? できない苦しさを「首相周辺の指示」「官僚の忖度」があったのではないか? しか言えない自身を恥ずべきでは?
7月の九州豪雨で亡くなった母子のお通夜で、朝日新聞記者が強引な取材をしたとの話が流れた際(朝日新聞は否定)、長岡支局の伊丹和弘記者は「書き込みをした方が真実性(あるいは相当の根拠があったこと)を証明しなければなりません」とツイートしている。そうしないと「名誉毀損になるよ」という趣旨。
「問題だ、問題だ」という朝日新聞が、「真実性(あるいは相当の根拠があったこと)を証明しなければなりません」なのは、言うまでもない。これができないから、前川喜平の言い分のみに固執するしかないのが実情だろう。
坪井よ、これが「加計学園問題」の本質ではないのか。
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