6月5日に投開票された沖縄県議選で、翁長雄志知事派が過半数を獲得した。これは沖縄県民の判断なので、特に言及することはない。

言いたいのは、朝日新聞の報道。6月6日の社説で「沖縄県議選 翁県政への信任だ」について。その中で「(辺野古)移設反対の『民意』が改めて示された」「(移設反対を訴える)知事の行動に信任を示した」と大はしゃぎ。

まあ、知事派が多数を占めたのだから、こう言いたいのは分かるけど、朝日新聞が言ってはいけない。

なぜか?
今回の県議選の投票率は53.31%で、過去最低。2014年の衆議院選の時、朝日新聞は何言っていたか。衆議院選の投票率(全国平均)は52.66%。「(低投票率なのだから)自公勝利が民意とは言えない」と言っていた。さらには、「民意は数の多寡だけで はかられるべきものではない」(社説)とまで。

そんな朝日新聞が、今回の沖縄県議選では、投票率が低くても「民意」だと言う。「民意」は数の多い少ないじゃないよと言いながら、今回は「民意」だと言う。

朝日新聞の言う「民意」って何??

結局は、自分に都合がいい結果なら「民意」だけど、都合が悪い結果は「民意ではない」と言うこと。こういうことを恥ずかしげもなく平然と書ける朝日新聞。

そう言えば、朝日新聞は2014年の衆議院選は低投票率なので「民意じゃない!」 って書いたくせに、沖縄県では4選挙区すべて自民候補が負けたことを沖縄の「民意」と書いていた。同じ紙面内でだよ。沖縄県の投票率は全国平均より低かったんだけどね(苦笑)。

まとめると、こんな感じ。
2014年衆議院選  投票率52.66% → 「民意」じゃない!!
  同 沖縄県     投票率52.36% → 沖縄の「民意」だ!!
今回の沖縄県議選 投票率53.31% → 沖縄の「民意」だ!!

ところで、この記事の「朝日」の部分を「毎日」「東京」と置き換えても、実はそのまま使える。「毎日」「東京」も2014年の衆議院選全体、沖縄選挙区の結果、そして今回の県議選で、まったく同様のことを言っている。

どうしようもないね。