百田尚樹著「カエルの楽園」を読んだ。

カエルの楽園
読み始めてすぐに、大まかなストーリーと結末が予想できた。しかも、だいたいその通りの展開と結末だった。

普通の小説(寓話としても)なら、ストーリーや結末が予測出来たらこんな駄作はない。「つまんねぇ~」となるところだが、読後の感想は「なんと悲しい話なんだ」。つまり、ストーリー展開・結末が考えていた通りであることが、逆に悲しいのだ。読み進めれば進めるほど、悲しくなる物語。

左翼界隈では「悪魔の書」と言われているらしいが(苦笑)、これを否定するだけの(しかも説得力がある)反対論はあるのだろうか?朝日新聞の反論を待ちたいところだが、完全無視を決め込んでいる。相手にしないという態度なのか、反論できないのか・・・。

未読の人もいるだろうからネタバレしない程度に書くが、個人的にはいくつか不満点がある。それは、デイブレイクとガルディアン(含む同類元老)、語り屋などが一般ツチガエルから報復されなかったことだ。それくらいの心意気がツチガエルにもあることくらいは示して欲しかった。

あと、「デイブレイクに騙されていたんだ!」とはっきり書いて欲しかった。ハインツあたりにつぶやかせても良かったと思う。まあ、みんなが「後の祭り」と思ったことは行間で理解できるが・・・。

でも、ローラの最期を見ると、お花畑の人々を作者はまったく信用してないこともよく分かるので、書かなかったのかもね。

ところで、この寓話小説を「空想」「妄想」の類いと決めつけるのは簡単である。しかし「そんなこと起こるはずがない」と考えている人々に言いたい。「なんでそんなに呑気なの」