前橋市が初代県令・楫取素彦の銅像を建てる計画を持っているらしい。NHK大河ドラマ「花燃ゆ」を当て込んで、昨年の5月から寄付金を募っているという。

銅像イメージ図
こんなイメージの銅像を計画している前橋市のHPから)。吉田松陰形見の短刀を、渡米する生糸商人に渡すシーンらしい。

ご存知のように「花燃ゆ」は年間平均視聴率12.0%と過去最低タイだった(同最下位は2012年の「平清盛」)。

そんなこともあり、寄付金は目標2500万円に対して、約1300万円しか集まっていない。おいおい、半分かよ。寄付の期間は昨年の12月30日までだったけど、前橋市のHPには「寄付金が目標額に達成次第終了します」と虚しい言葉が書かれている。まさに、とらぬ狸のなんとやらだね。

前橋市は2015年度中に銅像を建てたいようだが、まず無理だね。

*厳密に言うと、銅像を建てようとしているのは「『楫取素彦と松陰の短刀』銅像建立委員会」だが、会長は山本前橋市長だし、この委員会事務局は前橋市役所内にあるので、実質的に前橋市の事業である。

前橋市は群馬県庁の昭和庁舎内に「大河ドラマ館」を作って盛んにPRをしていた。前橋市の支出は約1億円。こちらも目標入場者30万人に対して約13万人。これ入場料取るんだよ。大人500円、こども200円。

大河ドラマ館
こんな感じでドラマのセットが再現されている。実は「上州まったり紀行」として行ってみようかなと思ったこともあったんだけど・・・。(1月末までやっているので、興味がある人は行ってみては?)

「花燃ゆ」で群馬が扱われたのは最後の10話のみ。それまでにつまんないと思った人はもう視てないから、群馬県に舞台が移ったなんて知らないかもね。

「花燃ゆ」関連では過去2つ記事を書いてるけど、そこでは書かなかったことがある。それは楫取素彦が一部地域ではまったく好かれていないという事実。

明治初期、群馬県庁は高崎にあった。当時の県庁は手狭であったため、一時的に前橋に移したのが楫取素彦。高崎に戻すという前提だったが、前橋の生糸商人たちの陳情などもあり、結局そのまま前橋が県庁所在地になった。こう書くと、どこの住民が嫌っているか分かると思うけど(笑)。

話を銅像に戻すと、制作を既に彫刻家に依頼済みだというから、寄付金集めは期間を延長してでも続けるだろう。しかし、2500万円は集まらず、前橋市が税金から不足分を負担する、って流れになるかな。

*5万円以上寄付した人は、台座に名前を刻印してもらえるので、名を残したい人は寄付してあげてください。

設置場所は前橋公園らしいので、出来上がったら見物に行くよ(笑)

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