池上彰が朝日新聞の自身のコラム「新聞ななめ読み」で、HNKとテレ朝を呼び事情聴取を行った自民党を批判した。

まあ、批判すること自体は構わないが、その理由があまりにもおかしい。池上の論拠を簡単に言うと、「放送法は、権力の介入を防ぐための法律なのです」「『表現の自由』を確保するためのもの。放送局が自らを律することで、権力の介入を防ぐ仕組みなのです」

これを論拠にするなら、批判されるべきはテレ朝・報道ステーションではないか? テレ朝が自らを律し、放送法を遵守していれば何の問題はない。

放送法第3条には、
1.公安及び善良な風俗を害しないこと。
2.政治的に公平であること。
3.報道は事実をまげないですること。
4.意見が対立している問題については、多くの角度から論点を明らかにすること。
とある。

「権力の不当介入だ」とか「表現の自由を侵す行為だ」などと言う前に、池上に聞きたい。テレ朝(報道ステーション)は自らを律していると言えるのか?報道ステーションが放送違反ではないと言い切れるのか?

一般論として、「権力の放送への介入はよくない」と言うのはいいが、今回のように個別に問題がある番組に対して「事情を聞く」ことに、何の問題があるというのか?

自らを律せられない放送局が、好き勝手に「放送法3条違反」を繰り返していることの方が、はるかに問題である。

池上彰は「お仲間」を守ろうとしている「ムラ社会」の住人でしかない。