ちょっと古いネタで恐縮だけど・・・。

ユニクロを展開するファーストリテイリング社・柳井会長兼社長の朝日新聞でのインタビュー記事が、けっこう反響を呼んでいる。

まずユニクロに関しては、「東洋経済」の記事で、新卒社員の3年以内離職率が約50%と異常に高いことと、社員の3%が精神疾患で休職していることが暴露された。

これを受けてなのかは知らないが、柳井会長が朝日新聞のインタビューを受け、好き勝手な持論を述べている。

「離職率が高いのは、グローバル化の問題」だってさ。何? 意味不明。

「将来は、年収1億円か100万円に分かれて、中間層が減っていく。仕事を通じて付加価値がつけられないと、年収100万円のほうになっていくのは仕方がない」

「付加価値をつけられなかった人が退職する。場合によっては鬱になったりする。でも海外の人は全部、頑張っているわけだ」

「グローバル経済というのは『Grow or Die』(成長か、さもなければ死か)」
「大半が途中で辞めた人などの一部の意見だ」

どうも、いまいち理解できない。新卒が3年以内で50%辞めることの理由になってないと思うけど。この50%の若者は、3年と言う短い時間で、どんな付加価値をつけなくてはいけなかったんだろうか?

ユニクロの学卒新卒は、20歳代で店長を任される。過酷な売り上げノルマを課され、さらに社内検定試験みたいなものの受験準備をしなくてはならない。このマニュアルは店舗からの持ち出しが禁止されているため、閉店後や休日に店舗で準備(勉強)となる。

どうみても、仕事に付加価値をつける以前に、俗に言う「こき使われて」使い捨てにされた、ってとこじゃないの?

別にオレは、甘チャン新卒を擁護しようとは思ないけど、新人を育てるにはコストがかかる。一般に年収の1.6倍かかると言われている。だから普通の企業は元を取ろうとして、がまんして育てながら使う。「こいつ、使えねぇ~っ!!」と心の中で思っても、ぐっと我慢して辛抱する。

ユニクロは、この「育てる」という意識はなく、自分の力で生き残る者だけを都合よく使うという発想なんだね。

世の中、みんな厳しい社会の中で生きているので、「これくらいなんだ!」と言う意見もあるだろう。いまどき、終身雇用で年功序列なんて会社は非常に少ないと思うが、「人あっての企業」だとオレは思う。

柳井会長もブラック企業という指摘を否定なんかしないで、「うちはこういう会社だから、そのつもりで入ってこい」って言えばいいだけの話。なまじ、「グローバル化」なんて屁理屈をつけるから、反発を買うんだ。

ということで、ユニクロは間違いなく「ブラック企業」。

そう言えば、もうひとつ有名企業で「ブラック企業」と噂される会社があるね。ここも社長が目立ちたがり屋だ。そう、有名居酒屋チェーン店を展開するところ。最近は介護や農業にも進出してるね。

次は、そこを考えてみる。