前回に引き続き「はだしのゲン」について。
「はだしのゲン」が、週刊少年ジャンプの連載終了後、左派系雑誌、共産党系論壇誌、日教組機関誌で連載されていたことは前回書いた。
少年ジャンプ連載分は、原爆投下直後の広島を描き、多少ショッキングな描写はあるが、ゲンが必死に生き抜こうという姿が描かれている。
原爆によってゲンの家が倒壊し、父、姉、弟が下敷きになって動けない。そこへ火の手が迫る。父はゲンや母に逃げろと叫ぶ。逃げることをためらうゲンが、やっと逃げようとしたとき、動けない弟が「兄ちゃん逃げるのか、するいぞ」と泣き叫ぶ。
こんな描写に、幼心にもジーンときたのを覚えている。(だからといって、個人的には前半部分も良書だというつもりはない)
ところがところが、後半部分は完全な作り話(フィクション)である。ありもしないことを連載誌の意向通り書いている。作者の中沢氏もしょうがないと思っていたのか、もともとこういう思想の持ち主だったのかは知らないが。
「なんで嫌いな天皇をほめたたえる歌を歌わないけんのじゃ」
「天皇は戦争犯罪者じゃ」
「日本軍は中国、朝鮮、アジアの各国で3000万人以上の人を残酷に殺してきてるんじゃ」
おぉ~、左翼、日教組の言い分をそのまま垂れ流し。3000万人なんて数字は、中国共産党のプロパガンダ以外の何物でもない。
終戦直後は、中国自身(当時は国民党政府)が320万人だと言っていた。(この数字にも根拠はないけど) それが共産党政権になると、1500万人になり、2100万人になり、ついには3500万人なんて数字になった。
で、松江市教育委員会も問題視した
アジア人の首をおもしろ半分に切り落としたり
銃剣の的にしたり
妊婦の腹を切り裂いて中の赤ん坊を引っ張り出したり
女性の性器の中に一升瓶がどれだけ入るか、たたき込んだり
というような描写がある。
日本兵の残虐ぶりをこれでもかっ、と描いたうえで
「日本が三光作戦という、殺しつくし奪いつくし焼きつくしという、ありとあらゆる残酷なことを、同じアジア人にやっていた事実を知ったときは、ヘドがでたわい」
これ、中国軍がやったことじゃんかよ。「三光」って殺光・焼光・搶光を指し、それぞれ殺し尽くす・焼き尽くす・奪い尽くすことを意味する漢語である。つまり中国語であって日本語ではない。日本人なら「光」が、~し尽す、という意味は理解できないだろう。
まあこれだけではなく、後半部分は日教組などのプロパガンダ本に成り下がっている。
まあ、いろんな意見の人がいるのは承知しているので、「はだしのゲン」がそれでも良書だというならそれでもいい。でも、最低限全巻読んでから言って欲しい。
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