年末になったせいか、「警察密着もの」番組が各局で放送されている。まあ、1年中通してやってる印象もある。

警察官の治安を守る業務・活動や犯罪捜査には敬意を表しているが、一点だけ腑に落ちないというか、気に入らないことがある。

それは交通違反を取締る白バイを取り上げることだ。だいたい各局の放送で共通していることは、白バイ警官のスピード違反を見抜く「眼」「体感」をすばらしいと持ち上げ、交通事故撲滅に対する「熱意」はすばらしい、みたいな感じで放送している。

これはこれで、否定はしないんだけど・・・。

でも、彼らのやっていることは物陰や路地に隠れ、違反者を見つけ取締るという、取締りのための取締り。これには、「未然防止」という発想はまったくない!!

交通事故、交通違反を減らそうと思ったら、普通に走って(流して)いた方が効果的ではないか? または、路肩に停止し交通状況を見ていればいいじゃないか。

なぜドライバーから見えない位置にいないといけないのか?これが、取締りのための取締りといわれる所以である。

白バイやパトカーを見れば、スピードを出していたドライバーもスピードを落とすだろう。事故や違反の未然防止の観点からも、こっちの方を積極的に行うべきと思うが。

別に違反者を擁護する気は全くないが、この「隠れて」の取締りには納得できない。俗に言う「ネズミ捕り」もそうである。

ちょっと古いが、昭和42年(1967年)8月1日に警察庁から通達が出ている。通称42・8・1通達。「交通指導取締りに関する留意事項」として、ことさら身を隠して取り締まりを行ったり、予防または制止すべきにもかかわらず、これを黙認して後に検挙などをしてはならない。という一文がある。

上記の白バイ取締りは、明らかにこの通達に違反していると思うのはオレだけか?

警察としてはPRの意味もあって番組に協力しているんだろうけど、この場面を観るだびに、「隠れて取締ってんじゃねえよ。42・8・1通達違反だ!」といつも思う。

さらに通達には、こうも書いてある。
検挙のための検挙、あるいは取締りやすいものだけを取締る安易な取締りに陥ることを避けるとともに、危険性の少ない軽微な違反に対しては、警告による指導を積極的に行うこと。
警告ですませてくれる警察官など見たことも聞いたこともない。

自分が捕まったから文句を言ってるんじゃねえか? みたいな誤解があると困るので言っておくが、オレは「優良ドライバー」であるので、念のため。