「日出処の天子(ひいづるところのてんし)」は、山岸凉子による不朽の名作。昭和55年(1980年)から昭和59年(1984年)に、「LaLa」(白泉社)で連載された。

オレは花とゆめコミックスから単行本化(全11巻)されたのを持っている。

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何回も何回も読んだということもあるし、年月がけっこう経っているので、相当疲れてきていた。

そんな時、「完全版」と称する「日出処の天子」(メディアファクトリー)を見つけた。聞けば、過去一度もコミックスに収録されてこなかったカラー原稿や連載トビライラスト、予告カット原稿などを完全再現、とあるではないか。

これはもう買うしかない。ということで、全7巻を大人買い! 1575円✕7巻で1万1025円!

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平成23年(2011年)から24年にかけて全7巻が復刻・発売されたという。これは永久保存版だ!

実は、このマンガはオレの趣味に大きな影響を与えている。

オレの趣味のひとつに「古代史の研究」というのがある。きっかけは梅原猛の「隠された十字架」を読んだこと。これにより聖徳太子に興味を持ち、その延長線上で読んだのが、この「日出処の天子」。

最初は聖徳太子や関係者の人間関係、歴史的な背景を理解するのに重宝した。マンガというのは、特に人間関係を理解するうえで、非常に有用なツールである。

内容は相当物議を醸したんだけど、でも読めば読むほどそのストーリーに引き込まれ、また繊細なタッチの描線もあいまって、読み物としても傑作と言っていい。すぐに、「オレのバイブルだ!」となった。

なので、オレの古代史研究における2大バイブルは「隠された十字架」と「日出処の天子」なのである。この2つを挙げると、相当「異端」な研究と思われるかもしれないけどね(苦笑)。

世間では「少女マンガ」とくくられているようだが、オレに言わせれば「歴史フィクションマンガの最高傑作」である。

久しぶりに読んでみて、改めて感慨にふけっているいる(ウルウル)。