女子プロレスラー・救世忍者乱丸シリーズの最終回。
高校時代の担任の薦めで、2011年から講演活動を始めた。対象の多くは児童や中学・高校の生徒だ。
「以前ジャガーさんに『あんたはいつか人に伝える立場になる人間なのよ』って言われたことがあったんです。その時は深く考えなかったんですけど、講演の話が来た時に、もしかしたらその時が来たのかな、と思ったんです」
講演の際、乱丸は覆面レスラーの「命」とも言うべきマスクを躊躇なく脱ぎ捨てる。
「絶対にマスクをい脱いだほうが伝わるから」
片目を失ったこと、大きな壁に直面しながらもプロレスラーを目指したこと、復帰の可能性はゼロと言われた病気のこと、それでも信じて努力を続けることでリングに戻ってこれたこと。
「眠たくなるような講演会にはしたくない」思春期の若者たちに全てをさらけ出し、熱く熱く語りかける。
講演会の後には、生徒たちから多くのメッセージが届く。中には「今の自分には夢がない」「目標が本当に実現できるかわからない」と、将来への不安を吐露したものもある。乱丸はそのひとつひとつに目を通し、真摯に回答する。
「今、夢がなくても全然いいじゃん。夢や目標なんていつ出てくるか分からない。60歳になってから出てくるかもわからない。いざ夢ができたその時に、私が話したことを少しでも思い出してくれればいい。目標が大きくて不安になるのも当たり前。でも動き出さなきゃ勝ち目はない。夢に向かって突き進んでほしい、って。最後には必ず『もし夢が叶ったら教えてな』と付け加えるんです」
乱丸の講演は「伝わりやすい」と評判を呼び、毎月のようにオファーが届いている。
「片目が義眼になったり、腎臓の病気になったり、それでもプロレスラー続けたり・・・。親にしたら絶対にイヤだったと思うけど、そんな経験があったからこそ今、講演会もさせてもらって、自分の経験を伝えることができる。入団テストで落とされた時は義眼を恨んだりしたけど、スンナリ通ってたら面白くも何ともないでしょ(笑)。
タイミング良く助けてくれた人もいたし、私ってラッキーなんですよ。考え方ひとつですね。次、生まれ変わるとしても、健康な普通の人に生まれたいとかはあまり思わない。特殊やったら目立てるし、楽しいこともあったしね」
最後に兵庫県生野高校が高校野球・夏の県予選で、県大会初勝利を挙げた記事。
今年2月に校内行事で女子プロレスラーの救世忍者乱丸の講演会が開催された。義眼レスラーとして活躍する乱丸の障害と戦ってきた半生を聞いた。
「僕たちはもっと頑張らないといけない。もっと夢に向かって頑張らないと」
乱丸関連
「頑張れ! 救世忍者乱丸」
「頑張れ! 救世忍者乱丸 その2」
「頑張れ! 救世忍者乱丸 その3」
「頑張れ! 救世忍者乱丸 その4」
参考
致知 「致知随想:不可能を可能にする力」
救世忍者乱丸オフィシャルブログ 「らんらん乱丸日記」
デイリースポーツ 義眼の女子プロレスラー「笑顔の忍術」
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