朝日新聞OBの井上久男氏が「Business Journal」に任天堂社長インタビュー「捏造」の件について書いている。井上氏は今回の件と2005年に発覚した田中康夫長野県知事(当時)の取材メモを「捏造」した問題を比較している。
「田中知事 取材メモ捏造事件」とは、長野総局の記者が知事への取材なしに、「取材メモ」を作成。このメモをもとに東京本社の政治部が記事を書いたという事件。ちなみに朝日新聞では、この件を「虚偽メモ問題」と呼んでいる。(もうこのへんからして誤魔化しが入っている)
取材メモを「捏造」した記者は懲戒免職になり、指揮命令系統を遡って政治部の中にまでも処分者が出た。当時の東京本社編集局長が現社長の木村伊量であり、木村は更迭されている。(といっても欧州総局長になり、ほとぼりが冷めた頃には社長!)
井上氏は言う。「筆者の感覚では、任天堂の件のほうが隠蔽した分だけ悪質さは高いと思う。」
まったく同感である。週刊文春の問い合わせがなかったら、今でも朝日新聞はこの件をすっとぼけていたはずだからである。
当然、インタビューを「捏造」した高木真也を始め、当時の経済部のデスク、部長は軒並みを重い処分を受けるのが相当と思われる。高木にも言い分があるかもしれないが、長野総局の記者同様「懲戒免職」は免れないところだ。
ところが前回「朝日新聞は「捏造記者」に記事を書かせている」で書いた通り、高木は普通に取材に行き、普通に記事を書いているのである。しかも署名記事!
なんという組織なんだ。どうやらオレの常識と朝日新聞の常識は相当違うらしい。
井上氏はこうも言っている。
「朝日の場合、好き嫌い人事が横行し、適材適所ができない傾向にあるうえ、重大な犯罪でもしない限り、将来を嘱望されている人材は不祥事に関わっても軽い処分(社会の批判をかわすための形式的な処分)で済まされ、ほとぼりが冷めた頃に復活してくるからだ。木村社長が東京編集局長時代に更迭された後、欧州総局長などを務め、取締役に選任、社長にまで登りつめたことがその象徴的な人事といえる」
朝日新聞が高木らの処分を公表するか怪しいところではあるが、どんな処分を下すか、注目していかないといけない。
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