文科省で教科書検定を担当する調査官が、北朝鮮のスパイリストに掲載されていたと「アサヒ芸能」が報じた。

韓国警察が脱北者団体を捜査した際「北朝鮮のスパイリスト」とみられるものが発見され、この中に日本人の名があったとされる。アメリカCIAもリストを把握しており、この人物に関する情報提供を求めてきたという。単純な週刊誌の「飛ばし記事」ではなさそうだ。「アサ芸」の取材に本人は「(取材は)受けられない」との回答している。

スパイ疑惑は真偽不明だが、「新しい歴史教科書を作る会」(自由社)の教科書が検定で「不合格」となったことが取り沙汰されている。副会長の藤岡信勝氏によれば、かなり「理不尽」な指摘の数々により、意図的に不合格にされたと言っている。

例えば、昭和5年(1930年)のロンドン海軍軍縮会議における補助艦の比率。自由社の教科書が「10:10:7」と記載したところ、「不正確である(日本の比率)」との検定意見がついたという。

どうやら日本の比率は「6.975」だかららしい。当然、自由社は「6.975を7と表現することは特別なことではない」と反論したが、文科省は「6.975に意味がある」と反論を受け入れなかった。

では、自由社以外の教科書には「6.975」と書いてあるのかというと、ある教科書には「補助艦の保有国の割合を米10、英10、日7と定めた」とある。なんだそりゃ。

なんてことはない。あからさまに自由社の教科書を「不合格」にするために、いちゃもんをつけただけということ。文科省的には「自由社の教科書は他社と比べ不正確な記述が多い。前回と同じ指摘も多い」ということらしいが・・・。

「新しい歴史教科書を作る会」が主導する教科書は「保守的」やらなんやと左派からは批判されていた。文科省の教科書検定官に「北のスパイ」がいるなら、こういう保守的とされる教科書は是が非でも「不合格」にしたい。だから不正に不合格にしたのでは? と疑われているのだ。

教科書検定にはきちんとルールがあるが、検定官の個人的考え(思想)が前面に出るケースが目立つように思う。だから一部からは「自虐的」との批判も多い。

文科省も調査に乗り出し、その結果「調査官の名前が掲載されているといわれる文書の存在などを含め、事実は確認されなかった」(萩生田文科相)という。ただ、こういうこと(スパイがいる)を言われるような教科書検定になってるのではないか。