1月24日の朝日新聞夕刊コラム・素粒子に新型肺炎に関する「ウイルスに効果があるのは手洗い、マスク着用など日常の風邪対策。中国人を排除するより、ともに手を洗おう」が載った。

新型ウイルスなんて心配しなくていいんだから(手洗いで充分)、中国人を差別するな」という強い意思の表れだ。

これが載った背景には、21日に箱根湯本の温泉街の駄菓子屋さんが中国人の入店を禁止する貼り紙(中国語)を掲示したことがあるのは間違いない。記事には朝日得意の「批判『も』寄せられている」「箱根箱根観光に影響が出る『可能性もある』」。

今になってみると、駄菓子屋さんの先見の明に頭が下がる思いだ。

朝日は日本国内最初の感染者が「中国人」であることを、意図的にぼかしていた。「武漢から帰国した30代男性」。普通に読めば、武漢に旅行もしくは出張していた日本人だと思ってしまう。

確かに厚労省の発表が「神奈川県の30代男性で武漢市への渡航歴がある」的なものだったとは言え、他紙はきちんと「中国人」や「日本への入国時には解熱剤を使って検疫を通過」を書いている。

特に検疫に申告もせず、解熱剤を使って一時的に熱を下げて入国したことは批難に値する。でも、朝日は絶対に書かないし責めない。それは中国人だから。

注)現在のWeb版では「神奈川県の30代の中国人男性」となっている。「中国人」だと言うことは世間に知れ渡っているため、しょうがなく追加したんだろうな。

この辺から盛んに「習近平が押さえ込み指示」と近平を持上げ始める。隠蔽したことなどには一切触れず。さらには、専門家談として「人から人は身近な場合限定」とか「SARSより感染力・毒性で弱そう」とか、楽観論記事の大洪水。

そして、国内2例目が確認。2例目は厚労省が「武漢市に住む旅行者」と言ってしまったことから、しょうがなくそのまま書いている。でも「中国人」とは書かない。この男性も発熱したまま入国している。

この2例目発表と同日に、朝日・鮫島浩は「政府がウソを言っている。信じられるか」(要旨)というツイートしている。朝日が事実を事実として書いていない中、何を言ってるんだか。

その後も朝日は、社説で「WHOのもとで」(1月25日)とか「行動の自由を制限する措置は最小限とし、人権を不当に抑え込まないことだ」(同30日)など、呑気なことを書いていた。武漢からチャーター便で帰国し、検査で陰性だった人にも施設での滞在を求めることにも「法律の規定にはない措置」と批判した(2月5日)。さすが人権屋の面目躍如と言ったところだ。

そして、政府が過去2週間以内に湖北省に滞在した外国人と、同省発行の中国旅券をもつ外国人の入国を認めないことにしたことに「行きすぎのないよう慎重に判断しなければならない」と、遠回しにだが「やめろ」と言っている。

切りがないのでこの辺で終わるが、初期段階では情報が少ない(中国の隠蔽、その後小出し)とは言え、ある「特定の意図」を以て書かれたと思われてもしょうがない内容のオンパレード。

朝日が日本の新聞ではないことだけは確かなようだ(今さらだけど)。