第4次安倍再改造内閣で環境相に就任した小泉進次郎が、福島県を訪問し漁連関係者に「率直に申し訳ない」と、前任者の発言を謝罪したと報道された。前任の原田義昭環境相が何か失言したっけ? と思ったら、福島第1原発の「処理済み」の「汚染水」について「海洋放出しかない」と言ったことだという。

えっ? これって謝罪するような発言なの? メディアは「『処理済み』の『汚染水』」と言うが、この曖昧さが風評(悪評)の元になっている。「処理済み」なのに「汚染水」。トリチウムが含まれているので「汚染水」と言うことなんだろうが・・・。

世界各国はトリチウムを含む水を海洋放出している。来年の東京五輪に難癖を付け始め、放射能がどうのこうのと言いだした韓国も同様である。

福島第1原発敷地内には1000基近い貯水タンクに保管されている。これからも増え続ける。基準値以下に「処理済み」なのだから、放出すればいいだけのこと。

でも、現在の日本では「放射脳」と揶揄される方々が多く、脊髄反射のごとく反対している。強行すれば、福島沖の水産物は「風評被害」により大きなダメージを受けることになるだろう。漁連が心配するのも分からなくはないが・・・。

これを国民や福島漁連によく説明し、理解してもらい「海洋放出」に持っていくのも環境相の仕事だと思う。ところが、「海洋放出しかない」との前任者の発言を「申し訳ない」と謝罪してしまったら、環境相としての職務を放棄したのも同然である。

しかも、「汚染水」問題の所轄は経産省と逃げる。福島復興を環境省でとか言うけど、逆にこれは復興庁で所轄外。難しい問題からは逃げ、人気取りになりそうなことは言う。これが小泉進次郎だ。俗に言う「ポピュリスト」。

耳障りの良い世間受けを言うだけの典型。政治家、特に大臣として内閣の一員なら、一部から反対を受ける案件にも取り組まなければいけないのは言うまでもない。それなに、最初っからこれだ。簡単に言えば、難しい案件から逃げただけ。これでますます「汚染水」問題は解決から遠のいたばかりでなく、逆に扉を閉ざしてしまったと言ってもいい。

小泉進次郎の環境相就任については「期待する」が74%(共同通信)ということだが、ただの能無っぷりをさらけ出した。まあ確かに議員になって以来、何か成果を出しているかと言えば何もない。ただただ人気先行型。

「客寄せパンダ」で終わるか、真の「後の首相候補」になり得るかの分岐点にもなる入閣だと思っていたけど。前任者が、ある意味「振ってくれた」案件なのに、この「謝罪」を見る限り「ポピュリスト」として世間受けするだけで終わりそうだな。