朝日新聞の箱田哲也や中野晃の朝鮮半島(韓国・北朝鮮)目線には、呆れるばかり。米朝の雲行きが怪しくなってきた現在、またまた箱田哲也が「命がけ北朝鮮外交の成否」(3月22日の社説余滴)と、北朝鮮目線でコラムを書いていた。

まあ、はっきり言ってどうでもいい内容なのだが、やっぱり箱田は分かっていない。なぜ金正恩が米朝対話に乗り出したかを。箱田は「こと米国に関する北の情報収集力と分析力には舌を巻く。言わば命を懸けた外交で我々が学ぶべき点は多い」との韓国外交官の言葉を引用する。

「命を懸けた」はあながち間違いではないが、でもそんな大層なことではない。金正恩が「死の恐怖」を真に感じたからでしかない。2017年9月に米国B1B戦略爆撃機が北朝鮮の元山沖まで飛行したからだ。(「朝日新聞・箱田哲也の甘ぁ~い北朝鮮分析」参照)

北朝鮮目線で見ているわりには表面ヅラしか見てないのは、ひいき目に見過ぎだからだろう。こういうのを眼が曇っていると言う。

さらに日本の外交に対して、「圧力一辺倒の単調で来た安倍政権の対話と交渉能力は、残念ながらさび付いている」と書くが、これも明らかに目線がズレている。

日米の差は「軍事オプション」を持っているかいないかだ。経済制裁もボディーブローのごとく効いている。しかし、それ以上に金正恩が恐れたのは米国の「斬首作戦」というオプションだ。それをB1Bの飛行により悟ったのだ。だから金正恩は自らの命惜しさに動いた。

ところが、日本には「軍事オプション」がない。そればかりか、南(韓国)に「北朝鮮朝貢国」が出現したことだ。金正恩にとって、こんなラッキーなことはない。制裁の裏側で、どんどん貢いでくれる。だから軍事オプションがなく経済制裁しか出来ない日本に対して、強気に出られるのは当たり前。

これを「圧力一辺倒の単調」「安倍政権の対話と交渉能力はさび付いている」とはね。安倍首相腐しで書いているならいいが、本気でこう思っているなら国際社説担当(論説委員)なんて肩書きは恥ずかしすぎるぞ。