萩生田官房副長官は11月23日に東京都内で開かれたシンポジウムで「強行採決というのは世の中にない。審議が終わって採決するのを強行的に邪魔する人たちがいるだけだ」と民進党などの対応を批判した。

ちょっと長いが引用すると
「あの(野党の)人たちが本当に声を枯らせて質問書を破りながら腹の底から怒っているかといったら、『田舎のプロレス』と言ったらプロレスの人に怒られるが、ここでロープに投げたら返ってきて、空手チョップで1回倒れて、みたいなやりとりの中でやっている。ある意味、茶番だと思いまして、もうそろそろこういう政治のあり方は変えるべきだと思っている」

これを普通に読めば、「野党」のやっていることはパフォーマンスありきの反対のための反対だと言うこと。つまり「田舎のプロレス」で「茶番」。まあ、採決時にプラカードを作ってきて、カメラ目線で掲げている姿を見れば一目瞭然の茶番だ。

ところが朝日新聞の記者は、これを「強行採決は田舎のプロレス」という見出しで報じた(朝日新聞デジタル)。

朝日新聞記者はこの場にいたようで、発言内容をかなり詳しく報じている。それなのに、なぜ上記発言が「強行採決は田舎のプロレス」ってなるのか?まったく理解できない。

野党の行動が「田舎のプロレス」で「茶番」なのに、政府の採決が「強行採決」であり「田舎のプロレス」「茶番」と誤誘導している。真逆の印象を与えようという意図が丸見えである。

朝日新聞が「強行採決」で政府側に問題ありと考えていて、萩生田官房副長官の発言に納得がいかないなら、正々堂々批判すればいいだけの話。それを、わざわざ曲解見出しを付け、政府自らが「茶番」だと認めているかのごとく報じるのは何なんだ。

新聞などで、見出ししか見ない人は多いので、何とかなると思ったのかクズ新聞さんよ。

*個人的には、発言趣旨は的を得ており正しい認識と考えるが、野党の「茶番」を「田舎のプロレス」との例えは不適切で不愉快である。「田舎のプロレス」をバカにしてもらっては困る。そこには観客を楽しませるという大きな目線があるからだ。国民(有権者)無視の野党(特に民進党)などと同等に扱うことは、本当に失礼である。