社説と言えば、その新聞の意見表明の場だ。ところが、朝日新聞は書くことがないのか知らないが、スペースを埋めるだけの存在のようだ。しかも論理も何もあったものじゃない、低レベルな文章。それが6月28日の社説「参院選 与野党論戦 党首討論会をもっと」だ。

朝日新聞は言う。
「昨日までの世界と今日の世界が違って見えることがある。英国の欧州連合からの離脱決定は、そんな出来事のひとつかもしれない」
「これまでの議論の前提が成り立ちにくくなるなかで、日本はどう向き合うべきか」

こう前置きしたうえで、
「与野党のリーダーによる議論が必要だ。国会開会中なら予算委員会の集中審議を開くべき場面だ」
しかし、参院選中なのでそうもいかない。だから
「テレビなどの討論会で各党党首が何を語るか、聞いてみたい」

ところが、
「自民党側が安倍首相の遊説日程などを理由に、公示前後の1週間に実施するよう打診したという。選挙戦が本格的に始まった途端に、党首同士の討論がなくなるのでは、何をか言わんやである」

世界情勢が変わるほどの出来事(英国のEU離脱)が起こっているのだから、日本がどう向き合うか聞いてみたいと言うことだろう。まあ、その気持ちも分からなくはない。

ところが、自分でこういう前置きをしたのにもかかわらず、朝日新聞論説委員連中が聞きたいことは
「安倍首相は憲法のどこを、どう、なぜ変えたいのか。参院選後、政府は安全保障関連法を具体的にどう運用していくのか」
だってさ。

はっ??
英国のEU離脱と日本の憲法論議に何の関係が?
英国のEU離脱と日本の安保法制議論に何の関係が?

英国とは何の関係もなく、ただ単に朝日新聞が争点化したいだけの内容じゃないか。

なんてことはない。朝日新聞は英国のEU離脱がどうのとか、偉そうな前置きを述べておきながら、実は自分たちが反対していることを、改めて争点にしたいと言っているだけ。

さらには、安倍首相・自民党が党首討論から逃げているという「印象操作」を併せて行っている。いや、併せてではなく、朝日新聞の主眼は「印象操作」の方がメインかもしれない。

朝日新聞の論説委員連中は、こんな低レベルで本質をきれいごとで隠したような「社説」しか書けないのか? 堂々と「憲法」と「安保法制」が争点だと書けばいいのに。

あっ、この辺をはっきり書くと廻りまわって、お気にいりの民共連合が「野合」だってバレちゃうからか。なるほどね。